ONEonONE(1on1、ワンオンワン)ミーティングとは?

ONEonONE(1on1、ワンオンワン)ミーティングとは、定期的に上司と部下が1対1で話し合うことを言います。

最大限に部下の潜在力を引き出すために、上司が部下の主体的な内省を促す目的で行う、人材育成の手法。米国シリコンバレーでもONEonONE(1on1、ワンオンワン)ミーティングは根付いており、人材育成の手法として世界的に注目を集めています。 日本では、ヤフーが2012年からこの方法を導入し注目を集めており現状では大手企業含めて導入が進んでいます。

ONEonONE(1on1、ワンオンワン)ミーティング導入の背景とは?

1.高度経済成長期が終わり、年功序列制度や終身雇用制度が崩壊し仕事や会社に対する価値観に変化がある
 ・ 「あなたは現在の会社で管理職になりたいと感じますか?」で日本は21.4%で調査実施14か国中最下位
  ※インド86.2%、ベトナム86.1%、韓国60.2%

    出典:パーソル総合研究所 APAC就業実態・成長意識調査(2019年)
 ・「昇進、昇格に関する課題アンケート結果」1位が「昇進・昇格そのものに魅力を感じない者が増えている(57.4%)」 
    出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 人材マネジメント実態調査2021

2.時短勤務、産後復帰する社員など多様な背景を持った部下が増えた

3.年上の部下を持つ機会が増加した

4.プログラミングやWEBマーケティングなど新しいスキルを持った人材の重要性が増し、部下のほうがスキルを持っているケースが増えている

以上のような背景から、企業に対するエンゲージメント(従業員の会社に対する愛着心や思い入れ)が以前よりも低くなりやすい環境になり、上司が部下に対して目標管理を行うのではなく、部下の成長を支援することがエンゲージメントを高めるために、必要になりました。
そして、成長支援を通して上司との人間関係、信頼関係構築そのももエンゲージメント(従業員の会社に対する愛着心や思い入れ)を高める上で重要であると考えるようになってきています。

ONEonONE(1on1、ワンオンワン)ミーティングにおける成長支援とは?

1.WILLCANMUST支援

部下のキャリア目標と人生目標を明確にした上で、現状の経歴やスキルを棚卸して、必要な経歴やスキルを明確化し目標を実現するために、現状の業務で何を得られて今後何を得ていく必要があるか?を明確にし実現していくためのフィードバックを行う支援です。 リクルートグループで利用されているフレームワークですが、キャリア目標だけではなく人生目標も含めて明確化することが重要です。

2.経験学習サイクル支援

アメリカ人のデイビット・コルブという研究者が、経験に基づいた学習プロセスが、4つのステップから成り立つと定義

1:具体的な経験

2:内省的な観察

3:抽象的な概念化

4:積極的な実験

具体的経験を自分がどのように捉えるか?という内省、自問自答を経て、気づきを独自理論に変えて、体系化して独自のノウハウとして蓄積していくプロセスです。

経験やスキル面での気づきをノウハウ化してくだけではなく、部下の価値観などの自己概念に対する自身の気づきを通した成長も支援できると更に良い支援になります。

ただし、自己概念(価値観、人間性)などに関しては上司部下の関係性では、信頼経験が構築されていないとなかなか話をしませんので、土台となる信頼関係構築が重要です。 当然ですが、ビジネスパーソンとしての経験を無駄にしないために、「経験学習サイクル」を回し、そのノウハウを言語化するところまで整理することが重要です。